太陽光発電パネルを既に設置している人の中には、今ある発電量では満足できないという人や、今の太陽光発電がうまくいっているから増設したいと考える人もいるでしょう。ここでは、増設するとどんなメリットがあるのか、注意点はあるのか紹介します。
太陽光発電パネルを増設することのメリットについて詳しく見ていきましょう。
メリットとしてまず挙げられるのは、利益が増えるということです。パネルが増設されると発電システムの稼働率が上がるため、利益を増やすことができます(あくまでも可能性であり、天候や立地、利用状況などで変動します)。
太陽光発電を1つのみ設置している場合は、時間帯・季節・天気によって発電量が大きく左右されます。増設した場合でもそうした条件に左右されますが、1つのみの場合に比べるとそうした時期でも発電量が多くなります。
このようなメリットがある太陽光発電の増設ですが、増やせば増やすほどメリットが得られるという訳ではありません。増設するとその分導入費用が必要ですし、維持や管理をするためにも費用がかかります。増設に必要な金額と、それによって得られる金額を比較して考える必要があるので注意しましょう。
太陽光発電パネルでの収益を増やしたいと考える場合「増設」の他に「過積載」という言葉もよく耳にすると思います。それぞれどんな意味なのか紹介します。
増設というのは、既に設置された太陽光発電の設備にパネルの枚数のみを増やすことです。
過積載というのは、太陽光発電パネルで発電できる容量がパワーコンディショナーの容量を超えた状態のことです。具体例を挙げると、パネル容量が70kWでパワーコンディショナー容量が49.5kWというような状態を指します。
太陽光発電パネルを増設することのメリットが広く知られるようになったことから、後から増設するのではなく最初から過積載の状態で設置する人も増えています。
太陽光発電パネルの増設を考える場合の注意点はいくつかあります。後悔しないよう、事前にしっかり把握しておきましょう。
住宅用や産業用など種類によって年数が変化しますが、固定価格買取制度によって太陽光発電での電力は長期間の買取が保証されています。しかし、増設したからといってその期間が延長される訳ではないので注意が必要です。増設するのが遅くなればなるほど増設分の保証期間は短くなってしまうため、早めに増設するようにしましょう。その他、早めに増設しておくと、電気料金の値上げによって将来的に買電単価よりも売電単価が高くなったときに備えやすくなります。
設置しているパネルと同じ型のものを増設する場合には軽微変更申請を、別の型で増設する場合は変更認定申請を行なう必要があります。その他、電力会社へ変更申請をしてブレーカーの交換が必要になる場合もあります。増設や過積載をすると発電量が増えるため、今まで使っていたブレーカーでは耐えられなくなることがあるのです。
太陽光発電パネルの増設を考える場合、既に設置しているパネルとは違う種類やメーカーのものを選んでも問題ありません。ただし、化合物系のものとシリコン系のものを一緒に使うことはできないため注意しましょう。また、使用しているパワーコンディショナーが対応しているか確認する必要もあります。
設置場所が同じ場合でも、角度を変えることで発電量や適した季節というのは変化します。そのため、増設して発電量を増やしたいなら、今あるものと違った角度にする方が良いこともあります。角度のことも考え、どうしたらより発電量が増えるかシミュレーションした上で設置しましょう。
ただなんとなく増設をしてしまうと、保証期間が短くなることや発電効率が悪くなることなどのトラブルが起きるかもしれません。きちんと注意点を把握した上で増設を行ないましょう。