愛知県名古屋で家庭用・産業用の太陽光発電システムを設置した場合、年間発電量と売電収入の目安はどのくらいなのかを検証。ソーラーシステムの購入でおすすめな販売会社もピックアップしました。
名古屋をはじめとする愛知県エリアは、全国でも有数の日照時間が長い地域です。
産業用太陽光発電システム(10kW)を設置した場合の推定年間発電量では、東京都11,175kW、大阪府11,696kW、福岡市11,762kWに対して、名古屋では12,589kWと全国第5位の発電量が見込まれています。
名古屋で太陽光発電システムを設置した場合、毎月の発電量と売電収入がどれくらいになるか日照時間のデータを元にしてシミュレートしてみましょう。
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月 | 予測発電量 | 余剰電力 | 売電収入 |
---|---|---|---|
1月 | 524.8kW | 314.8kW | 11,965円 |
2月 | 530.4kW | 318.2kW | 12,093円 |
3月 | 615.5kW | 369.3kW | 14,033円 |
4月 | 610kW | 366.0kW | 13,908円 |
5月 | 590.6kW | 354.3kW | 13,465円 |
6月 | 496kW | 297.6kW | 11,308円 |
7月 | 512.9kW | 307.7kW | 11,694円 |
8月 | 575.6kW | 345.3kW | 13,123円 |
9月 | 476.9kW | 286.1kW | 10,873円 |
10月 | 507.3kW | 304.3kW | 11,566円 |
11月 | 466.2kW | 279.7kW | 10,629円 |
12月 | 496.2kW | 297.7kW | 11,313円 |
合計 | 6,402.4kW | 3,841.4kW | 145,973円 |
太陽光発電システムは各メーカーによって、年間発電量と変換効率(太陽光のエネルギーを電流に変換する効率)が異なります。平成24年の住宅用太陽光発電システム導入支援補助金では、太陽光発電モジュールの変換効率の基準値として単結晶は16.0%以上、多結晶系では15.0%以上であることが求められています。
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メーカー | 種類 | 年間発電量 | 変換効率 |
---|---|---|---|
東芝 | 単結晶 | 4,663kW | 19.3% |
パナソニック | HIT | 4,500kW | 17.9% |
サンテックパワー | 単結晶 | 4,296kW | 14.9% |
三菱 | 多結晶 | 4.293kW | 14.8% |
シャープ | 多結晶 | 4,287kW | 16.5% |
カナディアンソーラー | 単結晶 | 4,227kW | 15.6% |
京セラ | 多結晶 | 4,123kW | 14.3% |
ソーラーフロンティア | CIS | 4,000kW | 12.2% |
年間発電量と変換効率を比較すると東芝とパナソニックが、他社を引き離している印象を受けます。価格的にも両者はほとんど変わらないため、比較のポイントは屋根の形状や広さに合せて自由な設置ができるかというところに集約されるでしょう。
東芝の太陽電池パネルのサイズは一般的に普及しているサイズ(1,855×949)より面積が少なく、1,559mm×798mmです。パナソニックもサイズは小さく、1,580mm×812mmが普通サイズになっています。
パナソニックからは、さらにコンパクトなタイプとして818mm×812mmのハーフサイズも発売しています。同じ形状の屋根に設置するなら東芝よりハーフサイズがあるパナソニックの方が、より多くの太陽電池パネルを乗せられると言えそうです。
太陽光パネルは温度変化に弱い特徴を持っています。基本的に太陽光を浴びるから温度に弱いなんて考えることもありませんが、モジュール温度が上がれば上がるほど発電量の減少へ繋がるのです。
これは、1度上がるごとに約0.5%機能が低下してしまいます。まさに、意外と知られていない太陽光発電の弱点なのです。
多くの人は太陽光が強く熱い場所であれば発電効率が上昇すると思っていますが、実はその逆で発電効率は低下します。逆に寒い地域の方が、太陽光パネルの発電効率は上昇するのです。
太陽光発電でより効率良く電力を得るためには、それなりに工夫を施さなければいけません。
例えば、愛知で太陽光発電を行う場合、愛知が地理的にどのような環境なのかを把握する必要があります。太陽光パネルの設置位置や傾斜角度など、様々なことを考慮しなければいけないからです。
太陽光パネルの傾斜と言っても、ピンとこない方が多いと思います。しかし、この傾斜は太陽光発電の効率に大きな影響を与えるので、きちんと考える必要があります。
基本的には、水平から約30度傾けると効率良く採光できるとされています。実際に、傾斜角度を10度から20度に変えただけで、約4%も発電効率が変わったという話もあるのです。発電効率を下げないためにも、角度には十分気をつけましょう。
屋上が平面であれば、太陽光パネルの設置は難しくありません。ベストな角度に太陽光パネルを設置することも容易といえるでしょう。
太陽光パネルの設置角度以外にも、発電効率を高める裏技が1つあります。それは、コーティングです。コーティングを行えば汚れが付きにくくなり、発電効率が高まるのです。
太陽光パネルの設置角度調整と併せてコーティングも試してみることをおすすめします。
平成25年度の住宅用太陽光発電補助金交付申し込み受付件数ランキングによると、愛知県は19,739件で堂々の1位となりました。2位は埼玉県で15,474件、3位は神奈川県で12,886件と続きます。愛知県は戸建て率が高く、市町村のほとんどが補助金を支給していたため、申込受付が多くなったのでしょう。[注1]
ただし、普及率という点では事情が少し違います。1994年~2010年までの太陽光発電システム設置件数と、都道府県別の持家戸建て数から普及率を見たところ、愛知県の普及率は3.9%という結果に。全国平均の3.3%よりは高いですが、上位というわけではありません。
愛知県でのメガソーラー導入事例を見ていきましょう。
田原市は愛知県東南端から西へ延びる渥美半島の大半を占めています。工業地帯として栄えてきたこのエリアでは、近年メガソーラーの建設が相次いできました。2015年に営業運転を開始した「たはらソーラー第一・第二発電所」もそのひとつ。国内屈指のメガソーラーとなりました。
年間発電量は約92,000MWhで、約25,000世帯の使用電力量に相当します。これで削減できると考えられる二酸化炭素は年間およそ47,000トン。約534万本の杉の木が吸収する二酸化炭素量に相当するというから驚きです。田原市の世帯数は約22,000世帯ですから、市内の世帯数をカバーする電力が供給できることになります。
木曽岬干拓地とは、愛知県弥富市と三重県桑名市・木曽岬町にまたがる干拓地です。もともとは農業用地でしたが、名古屋市に近い土地であることから有効利用が求められることに。2001年には愛知県と三重県が国から土地を買い受け、2012年にメガソーラー事業の誘致を行いました。2014年12月16日に木曽岬干拓地メガソーラーが供用開始。
ナゴヤドーム約20個分である78haの広大な土地に、約20万枚のパネルを設置しています。パネル出力は 49,155kW、想定年間発電量は5,200万kWh/年。これは約14,500世帯の年間使用電力量に相当します。個人での見学も受付中です。