太陽光発電や省エネ型家電など、節電に役立つ製品の普及が進んでいますが、どうせなら成果の出せる省エネ活動をしたいとお考えでしょう。そんな理想を実現してくれるのが「HEMS(ヘムス)」というシステムです。まだまだ認知度の低いHEMSですが、これからどんどん主流化してくる可能性があります。
HEMSとはどのようなもので、どのようなメリットがあるのかをお伝えしていきます。これから太陽光発電を導入しようとお考えの人は、基礎知識として身に着けておくと良いでしょう。
HEMSとは、「Home Energy Management System(ホームエネルギーマネージメントシステム)」の略称で、自宅で使用する電気を賢く節約するために役立つ管理システムです。
住まいの分電盤に計測機器を設置し、受信機をインターネット接続することで、電気使用量を「見える化」できます。また、電気の使用状況を把握し各機器をコントロールすることで、エネルギーの「自動制御」も可能です。
消費者自らがエネルギーを管理できるため、省エネ活動を後押ししてくれるシステムと言えるでしょう。
HEMSの導入によって、どの設備がどのくらいの電気量を使用しているのかが可視化できます。電気を使用する全ての設備の使用量を数値で詳細に把握できるため、電気の使用傾向や無駄遣いの削減にも取り組めるでしょう。
また、目に見えないエネルギーを数値化することで、節電や節約の数値目標を立てやすく、エコに対して自然と意識が向いてきます。
「気温が〇度まで上がったら風力を下げる」「消費電力が一定の数値に達したら電源を切る」など、様々な家電製品を個別にコントロールできます。
あらかじめ設定しておけば自動化できますし、屋外からの遠隔操作も可能です。エアコンの消し忘れなどもHEMSを使えば回避できます。
HEMSが連携できるものは、電気機器だけではありません。水道、ガス、太陽光発電、電気自動車、蓄電池などのエネルギー関連設備とも連携可能です。
特に電力需要の大きい日中には太陽光発電や蓄電池を使用し、需要の小さい夕方から明け方までは電力会社が提供する電力を使用するといった使い分けができます。電力会社との契約によっては、電気代を大きくカットすることができるでしょう。
HEMSを取り扱っているメーカーは1社だけではありません。パナソニック、東芝、NECなど大手をはじめとする様々なメーカーが製造しています。どのメーカーも基本機能の中に「エネルギーの見える化」を有していますが、自身に最も適したHEMSを導入するためにも、複数のメーカーの商品を比較するのがおすすめです。エネルギーの見える化以外の機能や特徴はメーカーによって異なるので契約する際には内容をしっかりと確かめましょう。
どのメーカーのHEMS機器を使うかが決まったら、早速利用申し込みをしましょう。
電話やインターネットから直接申し込みできるメーカーもあれば、直売をしておらず販売代理店に申し込みをするメーカーもあります。詳しい内容を聞きたいなら電話、スピーディーに申し込みたいならインターネットと目的によって選ぶと良いでしょう。
家庭内全ての電気機器や太陽光発電、電気自動車などを総合的に管理する場合、担当者が実際に自宅に訪れて調査・コンサルティングを行います。
一方で電力使用量を測定するだけのHEMSを導入する場合、調査やコンサルティングは行われません。ただし、比較的簡素なタイプのHEMSは「エネルギーの見える化」は可能ですが、「エネルギーの制御機能」は無いので注意が必要です。
HEMSを導入するために配電盤などに機器を取り付ける工事をします。作業は全て業者が行ってくれるため、依頼主側で何かをする必要は特にありません。